2011年09月17日

有機栽培と慣行農法の違い

皆さんこんにちは。管理人飯島です。
今回は有機栽培と慣行農法の違いや、最近の気になる情報が出回っていることについて私なりの見解をお知らせします。

まず有機栽培などの言葉を聞いたことがある方は多いと思います。この栽培方法は簡単に言うと農薬や科学肥料を一切使わず一定期間以上の栽培実績があることです。詳しくは農林水産省のこちらのページを参考にしてくださいhttp://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html
メリットはやはり化学肥料、農薬の使用がないためリスクが低く安心感が得られること、自然界に対して優しいこと、デメリットとしては価格が高いことでしょうか。
どうして価格が高くなるかというと、簡単に言えば手間暇がかかること、流通過程が成熟していないことが原因です。具体的には草取りもほとんど手作業や、什器で行わなければならないこと、防虫や病原菌に対しての資材や肥料などのコストや人件費がかかることが考えられます。

これに対して慣行農法とは各都道府県が独自に決めた農薬や化学肥料の使用範囲内で栽培した普通の栽培方法です。

有機栽培のほうが安心安全で優れていると思われがちですがすべてがそうとも言い切れません。
平成18年に始まったポジティブリスト制度は出荷する残留農薬の規制を示したもので非常に厳しく厳格な内容となっております。簡単に言うとほとんどの野菜に浴槽の7杯分の水にスポイトで一滴落とした程度の農薬までしか残留を認めないという内容です。しかも農薬は適正な使用さえ守っていれば(出荷○○日前まで使用可能などの決まり)出荷するときは蒸発して付着していないことがほとんどです。
このように適正に使用された農薬が農産物の中に入り込んで残留することはほとんどありません。

メリットしては生産者の労働量の短縮、安定した出荷、比較的安値での販売などが挙げられます。デメリットとしては農薬の誤った使用やドリフト(農薬が飛散して他の農産物に付着したりすること)による残留のリスク、耐性菌や耐性を持った害虫の出現などです。

なぜ今回このようは記事を書いたかと申しますと、最近他のサイトで、生産者は自分で作る農産物は食べないとか自分たちで食べる農産物は別に作っているなどの内容が書かれているサイトが増えているためです。
私も、職業柄生産者さんの知り合いが沢山いますが、この様に自分たちの食べるものと出荷するものを分けている方はほとんどいません。
 私の周りの生産者さんはみなさん自分の栽培した農産物に少なからず、プライドと誇りを持ってらっしゃいます。しかしながら上記のような誤った表現を目にして肩を落としたり、有機農法はできないからもう農業を辞めようかといわれる方もいらっしゃいます。
 確かに有機栽培は優れた栽培方法です、ですからどちらの農法で生産した農産物を選ぶかは買い手が決めることだと思います。しかしながら誤った情報や偏った情報を販売のために記述するのはいかがかと思います。
 生産者のみなさんだって農薬を使用したくて使用してるわけではないんです。最近では虫食いの跡やほんの微量の虫の付着(アブラムシなど健康に影響のない昆虫類など)が見受けられるだけで買い手が付かなかったり廃棄されてしまったりする農産物がほとんどです。これらの農産物は食べても全く健康被害がないことがほとんどです。
 家庭菜園で虫の付いた野菜を洗い流して食べて健康被害になった方はほとんどいないと思います。なのに廃棄されたり売れないのは我々農産物にかかわるものの情報発信や誤った情報の記述、消費者の勘違いなどが影響してるのではと日々思っております。
 また農薬をまくのは非常に重労働です。最近はトラクターに散布機が付いていて走るだけで散布できる機材もありますが、ほとんどの中小の生産者は20リットルの容器を背負って畑を何往復も歩きながら散布します。夏季は暑さと息苦しさでへとへと、冬季は冷たい水の使用と寒さで体の芯まで冷えます。

適正な農薬の使用や化学肥料の使用で栽培された農産物は安全です。慣行農法も基準はかなり厳しいです。
ですので営利目的のために農家は食べるのと出荷するのを分けているなどという根拠のない情報には賛同しかねます。本当にそうしているならば実名を公表すべきです。正直に栽培している生産者に迷惑だし可哀そうです。

すべての農産物が有機栽培になったら野菜を食べられない方が沢山いらっしゃると思います。そのくらいコストがかかる農法なのです(害虫も付着や健康被害のない程度の病原菌の付着を無とするならば)

皆さんも誤った営利目的の情報には一度よく考えてみてくださいね。
(ちなみに私は生まれてから自分のお店で買ったり仕入れたりしている野菜、果物をほとんど食べています。慣行農法ですが健康そのものです、両親や妻も子供たちも同じです。)
posted by 管理人 at 20:39 | Comment(0) | 野菜ソムリエから情報